RubyWorld Conference 2018 参加記(1日目)
会社がスポンサーになったので、こちらに出席させていただいてます。
1日目のプログラムはまつもとゆきひろ氏の基調講演から始まり、Ruby Prizeの発表で終わりました。
Matz基調講演(The power of the community)
この基調講演では、Rubyがいつどのように生まれて、今日のように人気のある言語として広く使われるようになったのかを聴くことができました。
放置していたUTF-8対応、ドキュメント整備、ミートアップ開催、本の出版などはどれも、まつもとさん個人の力ではなくコミュニティの力で行われたことであり、特に人にプログラミングを教えるのはまつもとさんが苦手な部分だった(プログラミングできない人の気持ちがわからない)という話がありました。
また、こういったコミュニティの力を借りるために、コミュニティに対して面白いものを提供し続ける必要があるというようなことをおっしゃっていました。OSSコミュニティは止まったら死ぬ鮫のようなものだ、とも。
私はユーザーとして普段からOSSを使って仕事をしている身ですが、未だにOSSコミュニティは不思議に感じる部分が大きいです。仕事とも個人の趣味とも言えない、独特の雰囲気があります。
この基調講演でまつもとさんも、コミュニティに関わる人のモチベーションは知的好奇心、承認欲求、そこで発生するコミュニケーション、責任感、お金など人それぞれだとおっしゃっていました。
Ruby Prizeを受賞したk0kubunさんの発表
Ruby Prizeを受賞したk0kubunさんの発表も凄まじく良かったです。途中までブースにいて、内容を途中から聴いたのでYouTube動画あとで見返したい。
感想とか
今、Rubyはメジャーなプログラミング言語で、仕事はたくさんあり、学ぶ価値があるというのはすぐわかります。私も仕事で扱っているシステムはRubyで書かれていて、その開発や保守に携わって、日々生活するためのお金を頂いてます。Rubyで書かれたシステムが動いて、実際に価値を生み出していることは感じています。
しかし、そういったことが可能になる前からRubyそのものに携わってきた、作者のまつもとさんやコミュニティの中心で関わっている方々には、それとはまた違う気持ちがありそうです。
今日の講演などを聴いた上での私の想像ですが、知的好奇心を満たす手段として、純粋に楽しくてRubyに関わっていたのかなと、そんな風に思います。
何か技術的なことを学んだり、ものを作ったり、プログラムを書くことが、今の私にとっては仕事をしてお金を稼ぐためのものであり、それ自体が目的にはなっていません。しかし、もしそれ自体が目的になったり、少なくともそう感じられることが増えれば、とても幸せなことだと思います。
すごいエンジニアになってたくさんお金を稼ぐとか、偉くなりたいとか有名になりたいとか、そういったことではなく(もちろんそれも大事なんだけど)、やっていること作っているものそのものに没頭して、楽しさや喜びを見いだせるようなエンジニアになろう。基調講演やほかの素晴らしい発表を聴きながら、そんなことを考えることができました。