ウェブフロントエンドは設定周りがひたすらつらくて、なにかプロジェクトを作ろうとするとそれだけで挫折してしまうことが珍しくない。その辺を簡単にするツールもあるけれど、その中身が何をしているものかわからないと、設定の追加や最適化ができなかったりして結局つらいことになったりもする。無駄に難しいことに向き合うのは誰だって嫌なので、ウェブフロントエンドのビルド周りの設定って何が必要なんだ...?というのを、なるべく難しい話を省いて書いておこうと思った。
何もなくてもいい
まず、簡単なウェブサイトにちょっとしたスクリプトを入れるのであれば何もなくてもいい。テキストエディタでindex.htmlとindex.jsを作って、index.htmlに<script src="index.js" />
を書けばいい。ほんとにちょっとしたものであれば、index.htmlに<script>alert('hello world');</script>
と書けばいいだけかもしれない。
モジュール
簡単なスクリプトでも、1000行近いindex.js
になってしまっていたら、そのプログラムは読むのが大変。なので、他のプログラミング言語と同様に、複数のファイルに分けて、わかりやすくしたい。index.htmlは以下のようになる。
<script src="a.js"> <script src="b.js">
b.jsで、a.jsの機能を使うという依存関係があるため、a.jsはb.jsより先に読み込まれている必要があり、そのため<script src="a.js">
の記述が先に来る必要がある。
これでも困らなければこれで良い。しかしファイルが多くなってくると、管理はどんどん大変になってくる。 そこで、モジュールとして扱えるようにしたくなる。
b.jsで、このように記述して、a.jsからモジュールをimportできるようにする。
import A from 'a'; A.hello();
モジュールバンドラーの導入
上のような感じで、モジュール分けられた〜良かった〜。となるものの、ファイル数が多いと、サーバーからJSファイルをダウンロードするのをモジュールの数だけやることになる。HTTP 1.1だとこれがけっこうな時間になりかねない。
そこで、ファイルを束ねて返すために利用できるのがwebpackなどのモジュールバンドラー。 設定を書いて、コマンドを叩くと、複数のモジュールが一つのファイルに束ねられる。なので、それをサーバーから配信するときも1つのファイルを返すだけになって助かる。
モジュール束ねるだけじゃなくてもっといろいろやりたい
ウェブアプリ開発では、モジュールを束ねる以外にもいろいろやりたいことが出てくる。webpackでは、loaderという、バンドル対象のソースコードを変換していくための設定が書ける。
ES5にしたい
上で書いたimport
などは、そのままだと古いブラウザ(Internet Explorer 11とか)だと動かない。じゃあどうするのっていうことで、古いブラウザで動くJavaScriptにしたくて、それがES5(ECMAScript 5)という仕様。babelというツールがあり、これを使うとES5にできる。だから古いブラウザでも動く。古いブラウザを使っているお客さんにもアプリケーションを使ってもらえる。
JavaScriptではなくてTypeScriptで書きたい
JavaScriptは動的型付けの言語なので、静的型付けの言語でウェブアプリを書きたいとなると、だいたいTypeScriptを使うことになる。これも、設定を書けばできる。
SASS使いたい
これも設定を書けばできる。
Lintかけたい
これも同上。
...と、ほかもいろいろ羅列しようとすると疲れそうなのでもうやめる。
上に書いてきたものは情報としてあまり価値がないかもしれない。 時間が進んで、古いブラウザを切れるようになってくると前提が変わってくる。すると、必要な設定も変わってくる。コードも変わってくる。 だから、ウェブアプリ書いてる人間はいつまで設定と格闘しなきゃいけないんだつらいっていう気持ちにもなるけど、前提が変わる以上はずっとやらないといけないことだとは思う。
単純に考えると、どういう環境で動くものを作りたいか、どうコードを書きたいかという2点を考えて今後もやっていけばよさそう。